FreeCADは高性能なパソコンでなくても動かすことが可能です。
しかし快適に動かすためには低スペック過ぎるパソコンでは、描写が遅くストレスが溜まってしまう事も。
この記事では、FreeCADの動作環境とパソコンの必要スペックを紹介します。
目次
FreeCADの動作環境は公式発表なし!PCの必要スペックはこれ
FreeCADは公式で動作環境(要求スペックや推奨スペック)を発表していません。
ですので実際にFreeCADを使っている人の体験を元に、使用可能なパソコンのスペックを知る必要があります。
僕が知っている最低スペックは以下のようになっています。
OS | Windows7、8、8.1、10 |
CPU | Core i5(第3世代) |
GPU | インテル内臓グラフィック |
メモリ | 8GB |
ただし、このスペックでは200個くらいまでのパーツ数であれば問題ないのですが、それ以上のパーツ数では読み込みが遅くなります。
4000個以上のパーツともなれば、データの読み込みに数分かかってしまうので、以下のようにスペックアップしたパソコンを使用する方が安心です。
OS | Windows10 |
CPU | Core i5(第8世代以上) |
グラフィックボード | インテル内臓グラフィック |
メモリ | 16GB以上 |
上記のスペックであれば安心して作業出来ますが、余裕が欲しいのであればもっとスペックの高いパソコンを使用するようにしましょう。
OSと各パーツについて詳細を解説します。
OS
まずはOSからです。必ずWindows10にするようにしましょう。
FreeCADの公式サイトでWindows7以上で使用可能となっていていますが、Windows10でなければマイクロソフトのサポートを受けられません。
不具合に対してアップデートがされないので、パソコンは危険な状態になってしまう恐れがあります。
ネットに繋がないローカルのみの環境でパソコンを使用するのであれば、セキュリティ上は一応問題ないですが、出来ればサポート対象のWindows10を使用する方が、不具合が改善されていくので安心です。
またWindows1Oといってもバージョンがあり、最新から3つ前までのバージョンがサポート対象です。
新品のパソコンを購入した場合はサポート対象バージョンですが、Windows7や8からバージョンアップした場合や、古いWindows10パソコンを使っている場合は一度バージョンの確認をしてみましょう。
CPU(プロセッサ)
CPUがCore i5(第8世代以上)であればWindows10もサクサクと動かす事が可能です。
第3世代以上からWindows10は動作がサポートされていますが、古いCPUだとどうしても動きが遅いのは否めません。
CPUの注意点
CPUの性能は高いほど良いのですが注意点があります。それはCPUの使われ方が作業により変わるという事。
CAD作業を行うときのモデリングは1つのコアしか使用しないことが多いので、処理速度を上げたいのであればCPUのクロック数を高いものにしましょう。
ただし、レンダリングは並行して作業が出来るので、コア数が多いCPUの方が良いですが、コア数が多くクロック数が高いCPUというのは無く、どちらを優先するか?という話になります。
ターボブースト時の周波数が高いCPUを選ぼう
この問題を解決した技術が「ターボブースト」です。
ターボブーストとは、使用していないコアがある場合に他のクロック数を上げるシステム。別名「クロックアップ」といって、BIOSの設定を変えてマザーボードからCPUへ流す電力を上げるオーバークロックとは違い安全です。
CPUを選ぶ際は、ターボブースト時のクロック数が高い多コアのCPUを選ぶと、より快適にFreeCADを使用する事が出来るでしょう。
GPU(グラフィックボード)
GPUはIntelのCPU内蔵グラフィックスで描写に問題がありません。多くのパーツを読み込ませても描写はスムーズです。
もし単体のGPUを搭載する場合は、NVIDIA Quadroにしましょう。NVIDIA GeForceやAMD Radeonは使用しない方が賢明です。
FreeCADはAPIにOpenGLを使っている
理由はFreeCADはAPIにOpenGLを使っているのでDirectXの処理を早く出来るように作られているGeForceではあまり意味がありません。
FreeCADはAMD製品と相性が悪い
またFreeCADはバージョンによってAMD製品と相性が悪いとFreeCADの日本語フォーラムで書き込みがりました。
FreeCADのv0.17では不具合なく使用できますが、v0.18ではフリーズするという不具合があります。
v0.18からGUIフレームワークがQt4からQt5に更新されているのですが、Qt5がRadeonと相性が悪いようです。
グラフィックボードは高価なパーツです。搭載するかはよく考えてからの方が良いでしょう。
通常作業時の体感速度は「CPUの性能」「メモリの容量」「ディスクI/O速度」によって決まるという検証データがあります。
なので、まずはGPU以外のパーツの性能を上げる事から始めた方がパソコン価格的にもコスパが良いかと思います。
メモリ
FreeCADのデータの読み込みにかかる時間は、メモリ容量が多いほど早いです。
その事から、最低でも16GBのメモリを搭載しておく方が、パーツ数の多いデータ読み込む時でもストレスなく作業が出来ます。
いっちー
ノート編|FreeCADにおすすめのパソコン
FreeCADが快適に使えるノートパソコンを紹介します。
FreeCADが快適に動く「基本スペック」「CPUの性能上げたスペック」「GPUの性能を上げたスペック」の3つのスペックを紹介します。
基本スペックでも問題ありませんが、CPUの性能を上げるとより快適になりますし、GPUの性能を上げると余裕が生まれます。
紹介するパソコンのOSはWindows10です。
基本スペック
- CPU:Core i5
- メモリ:8GB
- GPU:インテルUHD
フロンティア FRNLC510/S
CPU | Core i5-10210U |
メモリ | 8GB |
GPU | インテル UHD グラフィックス |
ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD |
画面 | 15.6型 |
価格 | 104,800(税込)~ |
約10万円のノートパソコン。FreeCAD以外の目的では、書類作成からネット検索に向いています。
CPUとメモリの性能上げたスペック
- CPU:Core i7
- メモリ:16GB
- GPU:インテルUHD
フロンティア FRNLC710/S
CPU | Core i7-10510U |
メモリ | 16GB |
GPU | インテル UHD グラフィックス |
ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD |
画面 | 15.6型 |
価格 | 119,800(税込)~ |
CPUをCore i7、メモリを16GBにバージョンアップ。
さらにメモリはカスタマイズで32GBにスペックアップも可能です。価格が14,000円アップしますが、快適な環境が欲しい方はアップすると良いでしょう。
FreeCAD以外の目的では、画像作成など簡単なクリエイティブな作業にも使えるパソコンです。
GPUの性能を上げたスペック
- CPU:Core i7
- メモリ:16GB
- GPU:Quadro T500
レノボ ThinkPad P15s Gen 2
CPU | Core i5-1135G7~ |
メモリ | 8GB~ |
GPU | Quadro T500 |
ストレージ | 256GB M.2 NVMe SSD~ |
画面 | 15.6型 |
価格 | 154,055(税込)~ |
レノボのカスタマイズモデルです。自分好みのパーツで構成されたモデルが購入可能です。
このモデルは、GPUが「Quadro T500」固定でCPUが Core i5-1135G7~Core i7-1185G7まで選択可能。
GPUもCPUも最新モデルを使っていますが、GPUをQuadroシリーズでも低価格なT500に限定する事で、パソコンの価格を抑えられています。
Quadro T500はQuadroの中でもスペックの低いモデルですが、FreeCADを動かすうえでは問題ありません。
Quadro搭載の安い最新モデルが欲しい方に向いています。画面サイズは15.6型です。
いっちー
デスクトップ編|FreeCADにおすすめのパソコン
FreeCADが快適に使えるデスクトップパソコンを紹介します。
FreeCADが快適に動く「基本スペック」「CPUの性能上げたスペック」「GPUの性能を上げたスペック」の3つのスペックを紹介します。
基本スペックでも問題ありませんが、CPUの性能を上げるとより快適になりますし、GPUの性能を上げると余裕が生まれます。
紹介するパソコンのOSはWindows10です。
基本スペック
- CPU:Core i5
- メモリ:8GB
- GPU:インテルUHD
マウス mouse DT5
CPU | Core i5-10400 |
メモリ | 8GB |
GPU | インテルUHD グラフィックス630 |
ストレージ | 256GB SSD |
価格 | 76,780円(税込)~ |
10万円を切る価格。FreeCAD以外の目的では、書類作成からネット検索に向いています。
CPUの性能上げたスペック
- CPU:Core i7
- メモリ:8GB
- GPU:インテルUHD
マウス mouse DT7
CPU | Core i7-10700 |
メモリ | 8GB |
GPU | インテルUHD グラフィックス630 |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 98,780円~ |
10万円を切りながらCPUがCore i7にバージョンアップ。
メモリは8GBが基本構成ですが、カスタマイズで「16GB(税込8,690円)」や「32GB(税込22,990円)」に容量アップ出来ます。
FreeCAD以外の目的では、画像作成など簡単なクリエイティブな作業にも使えるパソコンです。
GPUの性能を上げたスペック
- CPU:Core i9
- メモリ:32GB
- GPU:QuadroRTX 4000
マウス DAIV X10-QR4
CPU | Core i9-10900X |
メモリ | 32GB |
GPU | Quadro RTX 4000 |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 351,780円(税込)~ |
FreeCADには十分な構成。
まとめ
FreeCADの動作環境とパソコンの必要スペックを紹介しました。
低スペックパソコンでも動いてしまうFreeCADですが、快適な作業を行う為にはそれなりのスペックが必要です。
また古いOSでは不具合が更新されず危険な状態ですので、新しいOSを動かすためにも今回紹介したスペックのパソコンを使うようにしましょう。
以下の記事を参考にして、目的に合ったパソコンを探してください。
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