1分1秒でも快適なエアコンライフを送りたいと思い、自分でエアコンのカビ取りをして失敗しました。
エアコンのクリーニングに詳しい方からすると、「はっ?当たり前やん」って思われるかもしれません。
ですが僕はフィン用のスプレーではカビは取れない事、ファン用のスプレーじゃないとエアコン内部のファン(シロッコファン)まではカビ取り出来ない事を知りませんでした。
結果としてカビ取りが出来た部分は、消毒用エタノールを使い、吹き出し周辺のみとなりました。
この記事では、実際のカビ取り掃除の様子と、失敗した要因と対策、掃除のやり方の違いによるカビが取れる範囲、などをお伝えします。
目次
僕が失敗したカビ取り掃除の流れ
カビの状態
▲上下風向調整板(ルーバー)のカビ
▲左右風向調整板のカビ
こんなカビが目に入るので、どれだけ暑くてもクーラーを付けずに扇風機で我慢してきました。
ですが7月下旬の猛暑により体が限界を迎えます。Tシャツを5枚替え蒸し風呂状態の中でパソコン作業は出来ないと、カビ取りを決意します。
ビニールのゴミ袋でエアコン周りを養生
養生の過程は掲載していませんが、特に難しい事はありませんでした。ですが、それは完璧な養生をしていないからです。
調べると、業者は専用の養生シートがあったり、個人方はバイクのカバーをしたりと工夫をされていました。
やっぱり専用のシートが一番いいです。なぜならエアコンを洗剤で洗った後、水ですすぐ時にビニールの場合はたまって、養生が剥がれます。実際にこの問題が起きました。
専用のものはホースが付いていて水分を排出出来るんです。下にバケツなどを置いてそこに溜める形がベストです。
これは後で説明しますが、フィン用のスプレーを使ったときの洗浄液です。ちょっと溜まってますよね。
たったこれだけの量で養生が剥がれました。完璧に養生をしていなかったからですが、ゴミ袋では排出ホースがないので、どうしてもこの問題が出てきます。
水を受けるシートは、ホース付きの物でないと、重みで剥がれる
カビ取り用のブラシで作業を始める
▲カビ取りブラシのファンファン
水をつけて固く絞り、擦るとカビが取れるとなっているがとれません。
写真真ん中くらいをご覧下さい。すこしカビがとれているのが分かりますか?
思いっきり擦ってこの程度です。これをエアコン全体でするとなるとかなりの重労働だし、細かい部分が取れません。
ブラシだけではカビは取れない
フィン用のスプレーでカビを取ろうとする
▲フィン掃除用のスプレー
▲成分表
ブラシだけではカビが取れなかったので、エアコン洗浄スプレーをホームセンターに買いに行きました。
ここでも失敗です。フィン用のものしかありません。
フィンとは、エアコンのアルミのヒダヒダ部分です。以下の写真をご覧下さい。
▲フィン
▲フィンのアップ
あらかじめエアコンのカビ取りをするつもりがなくて、暑さに負けて突発的に掃除を始めたので、今回はホームセンターに行くしかありませんでした。
アマゾンや楽天で前もって購入していれば良かったのですが仕方ありません。でもエアコンを洗浄するものである事には変わりがないのでとりあえず購入します。
ですがやはりダメでした。防カビ剤は入っていますが、カビを強力に洗浄する力はないようです。
ただし先ほどのブラシに水をつけて擦るよりは取れます。ですが取れ方が弱い感じがします。肌感覚ですが、いまいち取れてるって気にならないんです。
フィン用のスプレーではカビはあまり取れない
エタノールでカビを取る
▲エタノールと詰め替えた容器
▲洗浄後の比較
エタノールは消毒によく使っているのですが、カビのたんぱく質を分解して除去するそうです。フィン用の洗浄剤よりもカビの取れ方が良いです。
僕はエタノールを吹出口にかけ、先ほどのブラシで擦りカビを取っていきました。
カビが取れています。
▲カビ取り終了
汚れたブラシを10回以上洗いに行き、ようやくそれなりの綺麗さになった吹出口です。細かい部分は歯ブラシなどを使ったらよかったと思いますが、めんどくさかったのでこれでよしとしました。
ただ問題があります。
奥にあるファンを見て下さい。分かりますか?コテコテに汚れていますよね。あれはカビです。
ブラシもエタノールも届きにくかったのと、中途半端に掃除すれば余計にカビが撒き散らされる可能性があったのでこのままにしました。
範囲も広いので、全部綺麗にしようとすると時間もかなりかかります。
ファン専用のスプレーかファンを外してカビ取りする方が確実に綺麗になります。
エタノールでカビはとれるが、エアコンの場合、構造が複雑なので泡のファン用スプレーを使う方が良い
カビキラーでカビ取り
▲左右風向調整板のカビにカビキラー
▲カビ取り後の左右風向調整板とルーバー
左右風向調整板とルーバーは取り外しが出来たので、カビキラーをかけて放置しました。やっぱりカビキラーの力は凄いです。超綺麗になりました。
強力な酸であるカビキラーはアルミのフィンやファンには使えませんが、樹脂であれば使って洗浄したいところです。
でも水でよくすすがないといけないので、エアコンに付けたままでカビキラーするのはおすすめできません。
ゴミの量
エアコンの下に本棚があって養生が多かったというのもありますが、ゴミ袋5枚くらい、ティッシュ1箱のごみが出ました。
作業時間や得られた利益
作業時間はホームセンターに行ってる時間を除き、4~5時間だったと思います。
前もって準備を何もしていなかったので通常よりも時間がかかったと思いますが、これだけの時間をかけたわりには、カビ取りの結果はあまり良いとはいえません。
カビを除去して見た目は良くなりましたが、内部にはまだまだカビがあります。ファン用のスプレーを使うのも良いですが、完全にカビが取りきれるわけではありません。
業者に頼んだ方がトータル的に良いと感じました。
- 水を受けるシートは、ホース付きの物でないと、重みで剥がれる
- ブラシだけではカビは取れない
- フィン用のスプレーではカビはあまり取れない
- エタノールでカビは取れるが、ファン用スプレーを使う方が良い
「エアコンのカビ取りが必須の場所」と「業者が安心の理由」
まず僕は、エアコンの構造を知りませんでした。今回の失敗を機会として勉強ました。素人ですのでプロの方からすると、考え方が間違ってるかもしれません。その時はご指摘下さい。
さてエアコンのカビ取りをしなければならない場所というのは、5ヶ所あります。
よくわかるエアコンの断面図
このドレンパンが微妙に傾いてて左右どっちかにつながってるドレンホースを介してそとに水が排出される pic.twitter.com/4spP0YSNJL— proton (@proton_1602) 2019年6月15日
- 熱交換器(フィン・アルミフィン)
- ドレンパン
- ファン(シロッコファン・送風ファン)
- 吹出口内壁
- 風向ルーバー
このうち今回僕がカビ取り出来たのは、拭出口内壁と風向ルーバーだけです。
よくユーチューブで、カビキラーを使ったりファン専用のスプレーを使ったりして、カビ取り掃除をしている動画がありますが、それでもファンまでしかカビ取りが出来ていません。
またファンを分解せず、エアコンに付いたままで掃除しているものがほどんどですので、ファンについても完全にカビが取りきれているとは言い切れません。
掃除レベルの違い
今回の僕のように、ファン用のスプレーを使わずフィン用や消毒用エタノールを使った場合、ファン用のスプレーを使った場合、業者に頼んだ場合によりカビ取りレベルは違います。
- 消毒用エタノールを使った場合
- ファン用のスプレーを使った場合
- 業者に頼んだ場合
さらにエアコンクリーニング業者といっても、カバーまで分解するのか、ファンまで分解するのか、ファンまで分解して持って帰って掃除するのかによっても違います。
- カバーのみ分解の業者
- 完全分解の業者
業者が安心の理由
分解洗浄をしてくれるからです。
分解
とにかく洗浄するまでの下準備は、思っている以上に大変です。
素人が分解をするとなると知識がありませんし、仮にネットの情報を探して分解したとしても危険です。万が一の時の保障がありません。
僕は何度も経験していますが、「例えばネジを外す」とか「カバーを外す」といっても、ドライバーが入りにくい場所だったり、力が必要だったり、経験とコツが必要な場合もあります。
業者であれば、専門知識もあり作業になれているので安心できます。
洗浄
高圧洗浄機を使いますので洗浄の力が違います。また作業後の乾燥などケアもしっかりとしてくれます。
奈良人
業者の洗浄力は凄い!掃除レベルの違いによるカビ取りの範囲
消毒用エタノールでカビ取りした場合
カビ取り出来る範囲は以下になります。
- 吹出口内壁
- 風向ルーバー
指やブラシが届く範囲しかカビ取り出来ません。ですので見た目は綺麗になっているけども、内部はカビだらけといった状態でス。
カビ取りに関しては、エタノールではなく洗剤でもいいと思いますが、肌感覚でエタノールの方がカビの取れが良かった気がします。
カビ取りブラシは効果なし
水につけてこするだけでカビが取れるというブラシ(ファンファン)を使いましたが全く効果がありません。
というか凄く力をいれないと取れないし、にじくる感じなんで、こってりついたカビには不向きです。表面にさらっとついたカビには効果があるかもしれません。
ただエタノールを掛けた部分をこすると良く落ちるし、形状が使いやすいので擦る用のブラシとして使用しました。
※使用結果は後述しています。
目安
金額:2000円
時間:2~4時間
カビキラー・ファン用スプレーでカビ取りした場合
カビ取り出来る範囲は以下になります。
- ファン(シロッコファン・送風ファン)
- 吹出口内壁
- 風向ルーバー
カビキラーやファン用スプレーというのは泡が多いです。なのでカビ部分に洗浄成分が定着してカビ取りをしてくれます。もちろん拭き出し口も適用範囲です。
エタノールではファンまでスプレーが届きませんし、仮にノズル式を使いファンにエタノールを掛けたとしても、泡ほど定着せず洗浄効果も低いので、泡で洗浄というのはファンのカビをとる上で欠かせないものだと思います。
しかしカビキラーの場合は塩素ですので良く洗い流す必要があります。そしてどちらの製品も泡の掛け方によっては、ファンの内部までしっかりとカビ取り出来ないといった状態になってしまいます。
目安
金額:3000円
時間:2~4時間
カバーのみ外す業者に依頼した場合
カビ取り出来る範囲は以下になります。
- ファン(シロッコファン・送風ファン)
- 吹出口内壁
- 風向ルーバー
簡単に言うと、カビキラー・ファン用スプレーでカビ取りした場合の上位互換といった感じでしょうか。
ファンのカビ取りを自分でした場合は、スプレー諸々で3000円くらいだと思います。それが業者になると10000円くらいとなり値段の差がありますが、それほど損だと感じない可能性もあります。
自分でファンのカビ取りは3000円くらいで可能ですが、フィンの掃除(表面)は入ってませんし、作業自体しなくていいというメリットがあります。
フィン用のスプレーは1本3~500円と安いのですが、フィンが汚れている場合は1本では足りません。僕がじっさいに掃除した時は5本使いました。
その料金を足すと5000円くらいになります。それでも倍の価格ですが、何もしなくても良いという便利さはあります。自分で養生からするとなると大変です。養生も適当にすると洗浄液が飛び散ったりしますからね。
目安
金額:10000円
時間:2~4時間
完全分解する業者に依頼した場合
カビ取り出来る範囲は以下になります。
- 熱交換器(アルミフィン)
- ドレンパン
- ファン(シロッコファン・送風ファン)
- 吹出口内壁
- 風向ルーバー
この完全分解をもっと細かく話をすると、完全分解して一部は壁につけたままの場合、エアコンを取り外して依頼者宅で洗浄する場合、エアコンを工場に持って帰って洗浄する場合の3パターンがあります。
それぞれに値段や時間は違いますが、共通しているのは、ファンを外してカビ取りするという事です。そして、このファンを外すというのがもっとも重要で大切な工程です。
一般的なエアコンクリーニング業者はファンを外しません。なぜなら手間が増えるからです。尋常じゃない手間です。これだけでかなりの時間を使います。件数を周らないといけないので時間がかかる事はしません。
ですがファンを外さないと、フィンの裏側やドレンパン、もちろんファンも完璧にカビ取りする事は不可能です。ファンを外すエアコンクリーニングが最高のカビ取り掃除方法です。
目安
金額:3~5万円
時間:6~8時間
カビ取り範囲や値段の比較
作業内容 | 目安値段 | カビ取り範囲 | 作業時間 |
エタノール | 2000円 | 最小 | 2~4時間 |
ファン用スプレー | 3000円 | 少 | 2~4時間 |
カバーまでの業者 | 1万円 | 小~中 | 2時間 |
完全分解の業者 | 3~5万円 | 大 | 6~8時間 |
まとめ
自分でエアコンのカビ取り出来る範囲は限られています。DIYが好きな方以外は、自分でカビ取りした方が安いからという理由で安易にしない方が良いかと思います。
業者に頼む方が安全で楽で、カビも綺麗に落としてくれます。
ただシーズン前に業者に頼んで、シーズンが終わってから自分でメンテナンスの意味でする掃除は良いかと思います。
こまめに掃除した方がカビも付きにくいですからね。