こんにちは!ならいく管理人の奈良人です。
東大寺南大門の見どころを紹介します。
南大門といえば金剛力士像が有名ですが、建築様式や狛犬も見る価値あります。
目次
【見どころ1】金剛力士像の立ち位置は左右逆
▲金剛力士像(仁王像)
左が阿形像(あぎょうぞう)(口を開いている方)、右が吽形像(うんぎょうぞう)(口を閉じている方)
金剛力士像が左右逆のわけ
通常は向かって右が口を開いた阿形像(あぎょうぞう)、左が口をへの字にした吽形像(うんぎょうぞう)ですが、東大寺は左右反対に安置されています。
また向かい合わせになっているのも特徴です。
この理由として中国の宋時代の版画の影響を受けているといわれています。版画の中に東大寺の金剛力士像と同じ配置や構えのものがあるようです。
金剛力士像の大きさなど
南大門の最大の見どころといえば金剛力士像(仁王像)ですが、大きさは約8.4m、重さは阿形が6.7t、吽形が6.9tもあります。
寄木造りとう作り方で作られ、材質はヒノキです。
製作日数は69日という異例のスピードです。
近年の解体修理の際に像の中から見つかった文書によると、吽形は定覚(じょうかく)と湛慶(たんけい)、阿形は運慶(うんけい)と快慶(かいけい)が作ったと記されていました。
1952年(昭和27年)3月29日に国宝に登録されています。
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金剛力士像の役割
大仏(盧舎那仏)を守る守護神として安置されているのが金剛力士像です。法具である「金剛杵(こんごうしょ)」を持ち敵が寺の中に入るのを防ぐ役割を持っています。
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腹筋がバキバキに割れているわけじゃないけど、日本人の体型として、自然かな~って思っちゃいます。
▲ドリアンイエーツについての動画
【見どころ2】独特の建築様式
建築様式は「大仏様(だいぶつよう)」とか「天竺様(てんじくよう」といいます。
重源上人が宋(中国)から持ち帰りましたが、天竺だとインドと間違いやすいことからから今は大仏様と呼びます。
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天井板なし&貫(ぬき)
天井板を張っていないので屋根裏の構造が丸見えなのも特徴です。
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貫を多用
貫とは柱を水平に貫通する横木です。これにより耐震強度が増しています。
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二重門(にじゅうもん)
本当の二重門は屋根の下にもう一段屋根をつけた門のことをいいます。でも東大寺の南大門は、2階建てに見えますが2階建てではありません。
なので正確には、腰屋根付きの一重門という事になりますが、一般的に東大寺の南大門は、二重門と呼ばれます。
ちなみに寺や塔の場合は「門」ではなく、「裳階(もこし)屋根」や「雨打 (ゆた)」と呼ばれます。
入母屋(いりもや)の屋根
入母屋造(いりもやつくり)といって、よく田舎の豪華な家などに用いられる屋根の形です。
建築の勉強をしていた事があって実際に入母屋の模型を作ったことがありますが、構造的に作るのが難しいんですよね。
この構造の特徴は、耐風性は特に高いって事です。台風で倒壊してる歴史からこの構造にしたんでしょうか。
また雨による劣化も遅らせる事ができます。
六手先(むてさき)
軒(門の胴体から出ている屋根の部分)を支えています。これは大仏殿でも見る事ができます。
【見どころ3】忘れちゃいけない狛犬
▲狛犬(左右の位置関係は、南大門をくぐって大仏殿側から南大門を見た図)
金剛力士像の大きさと知名度に隠れて、狛犬はあまり注目されませんがちゃんといます。
現存する日本最古の石像の狛犬だそうです。約800年前に作られたものです。
また東大寺の狛犬は2体とも口を開けているのが特徴です。
不要です。また、24時間拝観できます。
【アクセス】
近鉄奈良駅から徒歩20分
JR奈良駅から徒歩30分
市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分
ざっくりと南大門について(歴史や大きさなど)
一番最初に立てられた時期は不明ですが、天平勝平4年(奈良時代)だと言われています。
平安時代に台風で倒壊しましたが、重源上人(ちょうげんしょうにん)により再建。正治元年(1199)に上棟、建仁3年(1203)に仁王像を安置しています。
1897年(明治30年)12月28日に、重要文化財に指定。1951年(昭和26年)6月9日に国宝指定されています。
柱は全部で18本、柱の高さだけで21m。南大門の高さは基壇上(石床の上)25.46mで、横幅は29mです。
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まとめ
東大寺南大門は金剛力士像だけでなく、建築様式もちょっと変わった作りをしているところが見どころです。
日本に現存する石造で最古の狛犬も見ることができます。